私達はまだ結婚3年です。
子供はいません。
私は25歳で夫は32歳。
付き合いも長く夫が熱望しての結婚でした。
半年前から、主人の帰りが遅くなりました。
今では朝帰りも頻繁です。
理由を聞くと残業とか、同僚との飲みだと言います。
長いこと勤めている会社ですし、
私達は職場結婚でしたから、
どう考えても不自然な理由なんです。
お小遣いがそんなにあるわけでもないし、
恐らく別の目的が有るのではないかと思います。
私はこれまで夫を疑ったことなど一度も有りません。
今でも夫を愛しているし、信じたい。
でもそれが出来なくて苦しいんです。
今日、自傷行為をしてしまったのです。
そんなお電話を頂いたのは2ヶ月前でした。
私は勿論直ぐにでも会いましょうと言いました。
でもA様はその時、そんな気力が有りませんでした。
私はA様に私の携帯電話番号とアドレスを教え、
その後何度もやり取りをしていました。
同じ話と同じ迷いを繰り返し、
ご主人の言動に一喜一憂し、
ご自分の心と体を痛めつけ、
何度も私と会おうと決意しては諦め、
A様は苦しんでおられました。
「先生、もう面倒くさいでしょう?
私みたいに優柔不断で暗い人間なんて。」
私には分っていました。
A様は人より少し繊細なだけなのだということを。
「真実を受け入れる速度や、
行動を起すというタイミングはね、
1人1人の速度が有るんですよ。
私はいつでも手を広げていますからね。」
私は毎回そう伝え続けました。
A様は一度もご主人を責めませんでした。
それどころか、前にも増してご主人に尽くしました。
それでもご主人の外泊は増え続け、
休日出勤もするようになりました。
そうしてA様が4度目のリストカットをした日、
ご主人はこう言ったのです。
「一体何のつもりなんだ?
俺への当て付けのつもりなら
はっきり気に入らないと言ったらいいじゃないか。
毎日毎日暗い顔をしやがって。
こんな辛気臭い家に帰りたくない!
お前は病気なんだよ。
病院へ行くか、実家に帰れよ。」
そうしてA様は
手首に何本もの傷痕が残る痛々しい姿で
A様はMR相談室にいらっしゃいました。
「夫は、私が自分の気を引こうとしていると言います。
そうだったのかもしれません。
もうよく分かりません。
私は一体どうしたらいいんでしょう?」
先ずは真実を見る事
2ヶ月間何度も繰り返してきたことを
もう一度私は最初からお話しました。
「そうですね。
もうそれしかないですよね。」
結果は、やはり愛人がいたのでした。
愛人は自宅近くの居酒屋の経営者でした。
同僚と飲み歩いている事も本当でしたが、
最後は必ず愛人の店に行き、閉めるのを手伝い、
愛人の車でラブホテルへ向かうのです。
支払は全て愛人がしていました。
愛人は実家住まいで
暫く走った後、車はラブホテルに入っていったのでした。
どうやらご主人よりも年上のようでした。
A様は非常に驚いていましたが、明らかに変わりました。
「覚悟を決めて夫を取り戻します。」
そう言い切ったのです。
調査中もA様は情緒不安定でした。
調査が終了し、真実を知り、カウンセリングを受けるうちに、
頼もしくなられていました。
「証拠を撮ったのですから、これからが大切なのですよね。」
A様の場合、
幸せな生活を取り戻す為にはご主人を元に戻す事です。
今は心が違う所に有るのですから
軌道調整してあげなければなりません。
「私、もう自分を傷つけません。
私が大事に出来ない私を夫は大切にしてくれませんもんね。
胸を張って堂々と愛しているから離さないって言いたい。
愛人にも、彼はわたしのものって言います。」
こうして、A様は私達を安心させてくれました。
それからは着々と準備をし、物事を進めていかれました。
途中、挫折しそうになりながらも何とか別れさせをし、
今はやり直しの真っ最中です。
ご主人はA様の変化に驚いていると苦笑しながらA様は仰います。
「彼って、実は女に甘えたいタイプだったみたい。
私が年下だからそれが出来ずに外に求めたのでしょうね。
今は何とか落ち着いています。
先生、私を見捨てないでいてくれて
本当にありがとうございました。
長い長い時間、寄り添っていてくれて。
大袈裟だけど、先生は命の恩人です。」
そう、私は見捨てない。
あなたが見捨てたあなただとしても。
A様はやっと一歩を踏み出したのです。
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